高める
安全に始めるために
VO₂Max を高めるための運動も、体力や健康状態に合わせて始めることが大切です。運動に関連した有害事象のリスクが高くなるのは、強度の高い運動を行うときや、不慣れな人が急に普段以上の運動を行うときです(厚生労働省 2023、INFORMATION 4)。
このページは、厚生労働省の「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」(運動を指導する立場の人向けの資料)を、自分で運動する人が使えるように整理したものです。このサイトは診断をしません。当てはまる項目があるときの判断は、医師にゆだねてください。
図でわかる
確認するタイミングは、運動前から翌日まで
始める前のチェックで「はい」がある場合の対応は、項目によって異なります。次の本文で、制限や注意の確認・受診が必要な場合を確かめてください。
1. 始める前の健康チェック
厚生労働省の資料にある「運動開始前の健康チェックシート」(PAR-Q+ を参考に作られたもの)の項目です。「はい」がある場合の対応は、項目によって異なります。
- 医師から「心臓病」または「高血圧」と指摘されたことがある
- 「心臓病」「高血圧」のほかに慢性の病気がある(過去にあった場合も含む)
- 過去に手術を受けたことがある
- 慢性の病気などで薬を飲んでいる
- 安静時、日常生活、運動中などに「胸の痛み」を感じることがある
- めまいのためにバランスを崩すことがある、またはこの 1 年間に意識を失ったことがある
- 運動で悪化しそうな骨・関節・筋肉・靭帯・腱の問題がある(1 年以内にあった場合も含む)
- 医師から「医学的な監視のもとで運動するように」と言われたことがある
- 1〜3 に「はい」: 運動制限の有無を確認し、制限があればその指示に従います。確認できない場合は、医療機関を受診します。
- 4 に「はい」: 薬による運動時の注意事項を確認し、必要な対策をとります。確認できない場合は、医療機関を受診します。
- 5〜8 に「はい」: 医療機関を受診してください。すでに問題が解決している場合は、その後の運動について受けている指示に従います。
新しく運動を始めるときは、①病気の有無や状態、②何をしたいのか、③ふだんの身体活動量を踏まえて、始めてよいかを判断します。必要に応じて、医療機関で運動前の健康チェック(メディカルクリアランス)を受けます。
2. 受診したほうがよい兆候
安静時や活動中に、次のような兆候や症状がある人は、運動を始める前に医療機関に相談してください。
- 胸、首、頭、腕などの痛みや不快感(心臓の血流不足によると思われるもの)
- めまいや失神
- 横になると息が苦しく、起き上がると楽になる。夜中に息苦しくて目が覚める
- くるぶしのむくみ
- 動悸や脈が速い
- 歩くとふくらはぎなどが痛み、休むと治まる(間欠性跛行)
- 心雑音を指摘されたことがある
- ふだんの活動で、異常な疲れや息切れがある
3. 血圧の目安
- 血圧は運動で上がるため、もともと高血圧がある人は注意が要ります。診察室で 180/110 mmHg 以上、家庭で 160/100 mmHg 以上のⅢ度高血圧では、服薬で血圧を整えてから運動を始める必要があり、医療機関の受診が勧められています。
- 血圧が高めの人は、運動前に血圧(と脈拍)を測って記録する習慣をつけます。5 分以上安静にしてから測ります。
- 運動前の血圧が 160/100 mmHg 以上のときは、散歩程度の軽い運動にとどめます。180/110 mmHg 以上のときは、運動を控えて休みます。
4. 薬を飲んでいる人
- β遮断薬、一部のカルシウム拮抗薬、α遮断薬など(高血圧の薬): 心拍数に影響するため、心拍数が運動の強さの目安になりません。主観的な運動の強さ(「ややきつい」など)を目安にします。このサイトの心拍の目安も当てはまりません。
- インスリンや、インスリンの分泌を促す薬(糖尿病の薬): 運動で低血糖を起こすことがあります。
- 利尿薬: 脱水になりやすく、熱中症や立ちくらみに注意し、水分をとります。
- 抗凝固薬、抗血小板薬など: 出血しやすくなるため、転倒や打撲、接触のある運動に注意します。
- スタチン系(脂質異常症の薬): 筋力低下や筋肉痛が出ることがあります。
薬の変更や追加があったときは、運動の内容を見直してください。
5. 毎回の運動前の体調確認
運動する日、家を出る前に確かめます。1 つでも「はい」があれば、無理に運動をせず休養をとり、必要なら医療機関を受診します。
- 足腰の痛みが強い
- 熱がある
- 体がだるい
- 吐き気がある、気分が悪い
- 頭痛やめまいがする
- 耳鳴りがする
- 過労気味で体調が悪い
- 睡眠不足で体調が悪い
- 食欲がない
- 二日酔いで体調が悪い
- 下痢や便秘をしていて腹痛がある
- 少し動いただけで息切れや動悸がする
- 咳やたんが出て、風邪気味である
- 胸が痛い
- (夏期)熱中症警報が出ている
6. 運動中に、すぐやめる症状
次のような症状など、体調に異変を感じたら、ただちに運動を中止します。
- 胸痛
- 強い空腹感やふるえ
- 冷や汗
- 動悸
- いつもと違う強い疲れ
- めまいやふらつき
- 関節や筋肉の強い痛み
7. 毎回の運動で守ること
- 準備運動: ある程度の強さの運動では、必ず行います。傷害や内科的な事故の予防、体調の把握にもなります。
- 整理運動: ある程度の強さの運動のあとは、5〜10 分のクールダウンを行います。急に止まると血圧が下がり、めまいや失神、不整脈が起きることがあります。
- 水分: 運動中も 15 分に 1 回程度、水分(と塩分)をとります。気温や湿度にも気を配ります。
- 翌日の疲れ: 翌日の日常生活に支障が出るほど疲れが残るときは、強さや量が過剰です。休養をとり、次回は控えめにします。
- 肥満のある人: 運動で関節などを傷めやすいので注意します。
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」INFORMATION 4「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」 https://www.mhlw.go.jp/content/001195872.pdf
監修: なし(出典あり)内容の最終確認: 編集方針