知る
VO₂Max とは
VO₂Max(最大酸素摂取量)は、運動のときに、からだが 1 分間に取り込める酸素の最大の量です。「全身持久力」の指標として使われます。
VO₂Maxを、3つの働きで見る
肺
酸素を取り込む
心臓・血管
血液で運ぶ
筋肉
筋肉で使う
からだの中で起きていること
厚生労働省の資料は、全身持久力を次のように説明しています。肺で空気から取り込んだ酸素を、心臓から血液に乗せて運び、働いている筋肉で糖や脂肪を分解して、運動に必要なエネルギーを作り出す能力です。
つまり VO₂Max には、肺、心臓と血液、筋肉の 3 つの働きがまとめて表れます。運動習慣のある男性 40 人を対象とした 8 週間の研究では、トレーニングで VO₂Max が上がったとき、心臓が 1 回の拍動で送り出す血液の量(1 回拍出量)の増加と対応していました(Helgerud ら 2007)。
図でわかる
mL / kg / 分 は、3つに分けると読める
mL
酸素の量
kg
体重1 kgあたり
分
1分間あたり
VO₂Max は、この単位で表した
酸素を使える最大の量です。
単位の換算
- mL/kg/分: 体重 1 kg あたり、1 分間に何 mL の酸素を使えるか。このサイトでは、この単位をおもに使います。
- メッツ: 身体活動の強さを表す単位。全身持久力をメッツで表した値や基準値は、3.5 倍して酸素摂取量の単位(mL/kg/分)に換算できます。たとえば全身持久力の基準値が 10 メッツなら、35 mL/kg/分 に相当します。
研究では、全身持久力の 1 メッツの差は、走る速さでおよそ時速 1 km の差にあたると説明されています(Kodama ら 2009)。
VO₂Max と VO₂peak
資料やスマートウォッチの表示では、「VO₂Max(最大酸素摂取量)」と「VO₂peak(最高酸素摂取量)」の 2 つの言葉が出てきます。VO₂Max は、負荷を上げても酸素摂取量がそれ以上増えなくなった「本当の最大値」で、VO₂peak は、実際に行った運動の中で観察された「最高値」です。
厚生労働省の資料は、より厳密に測る VO₂Max と同じように、VO₂peak も死亡や病気の発症を強く予測する指標だとしています。このサイトでは、特に区別が要るとき以外は「VO₂Max」と書きます。
年代ごとの平均は違う
日本人の研究データを性・年代別にまとめた推定平均では、10 歳代が最も高く、20 歳代以降は年代が上がるほど低い傾向でした。年代間の差は 20〜30 歳代で大きく、40 歳以降で小さくなっています(厚生労働省 2023)。これは異なる年代の集団を比べた結果です。同じ人を長年追跡した変化ではなく、本人が今後どの速さで変化するかは分かりません(Akiyama ら 2023)。
厚生労働省は、この推定分布から、重い荷物を運ぶような 8 メッツの活動を 3 分以上続けられる人が、男性の 60 歳代、女性の 40 歳代ではおよそ半数にあたると説明しています。年齢だけで本人の体力を判断するものではありません。年代別の平均と基準値は、年代別の目安にまとめています。
なぜ気にするのか
多くの人を追跡した研究で、VO₂Max が高い人ほど、死亡や心臓の病気のリスクが低いという関連が繰り返し報告されています。くわしくはVO₂Max と健康の関係をご覧ください。
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」INFORMATION 6「全身持久力(最高酸素摂取量)について」 https://www.mhlw.go.jp/content/001195874.pdf
- Akiyama H, Watanabe D, Miyachi M. Estimated standard values of aerobic capacity according to sex and age in a Japanese population: A scoping review. PLoS One. 2023;18(9):e0286936. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0286936
- Helgerud J, Høydal K, Wang E, et al. Aerobic high-intensity intervals improve VO2max more than moderate training. Med Sci Sports Exerc. 2007;39(4):665-671. https://doi.org/10.1249/mss.0b013e3180304570
- Kodama S, Saito K, Tanaka S, et al. Cardiorespiratory fitness as a quantitative predictor of all-cause mortality and cardiovascular events in healthy men and women: a meta-analysis. JAMA. 2009;301(19):2024-2035. https://doi.org/10.1001/jama.2009.681
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